J.C.T.C 一般社団法人 日本貨物検数協会

3分でわかる!
J.C.T.Cについて

世界各国との貿易取引には欠かせない港湾運送。
中でも、当協会が行う「検数事業」における証明書の発行は、
重要な役割を果たしています。
ここでは、検数と貨物の一連の流れについて、ご紹介します。

「検数」とはどんな事業?

「検数」で大切なポイントは大きく3つあります。
それは、
(1)どんな貨物を (2)どれだけ (3)どのような状態で
あるのかを確認することです。

「どんな貨物を」というのは、品名や荷印、荷姿などのこと。「どれだけ」というのは、個数、数量のこと。そして、「どのような状態で」というのは、損傷の有無や程度のことを指します。こうした情報はいずれも、貨物の船積や陸揚に際して欠かせないものです。そのため、お客様である船社やメーカー、港湾運送事業者などから依頼を受けた「検数人」と呼ばれる確認者が、各ポイントにおいて公正かつ厳密に、確認を行っています。また、その結果を書面として記録に残し、受渡しの証明をすることを「検数」と呼んでいます。

「検数」が欠かせない理由

周りを海で囲まれている日本では、日々、全国の港において国際貿易が行われています。その水際での第三者証明機関として、「検数」はとても重要な役割を担っています。国内に運び込まれるものも、国内から運び出されるものも、厳密に確認を行い、証明をする。
その結果、安心・安全かつ円滑な貿易取引に繋がっているとともに、社会の安全を守ることができているのです。この重要な使命を果たすため、当協会はこれからも業務品質の向上を目指し、国際物流のトータルサポーターとして、お客様のニーズに寄り添い続けていきます。

国際貿易に関わる人や機関

ここでは、検数と貨物の一連の流れについて、
概略をご紹介します。

  • 荷主

    荷主とは、運送人から貨物を受取る、もしくは運送人に対して貨物の運送を依頼する業者のことです。

  • 船会社

    船会社とは、船舶で旅客や貨物を運送する業者のことです。

  • 検数人

    検数人とは、貨物の船積や陸揚の際に、貨物の数量や損傷の有無などを確認し、その証明を行う人のことです。チェッカーやタリーマンとも呼ばれます。

  • 海貨業者

    海貨業者とは、荷主からの委託を受けた代理人として、船や船会社との間で貨物や書類の受渡しをする業者のことです。正式には「海運貨物取扱業者」といい、物流業界ではフォワーダーとも呼ばれます。

  • 通関業者

    通関業者とは、荷主から依頼を受け、税関に対する通関手続きを代行し、通関書類を作成する業者のことです。

  • 税関

    港における税関とは、輸出入貨物の水際での審査・監視・取締りを目的とした通関、および関税の徴収を行う国の機関のことです。

港における貨物の流れ

船に貨物を積み込むまで

STEP
1

船積申込

船に荷物を積込むことを「船積」と言います。まず、荷主は船会社に対して、積む予定の貨物の申込みをします。

STEP
2

運送契約

船会社は、貨物を運送するための契約を行います。そして、「船積指図書」と呼ばれる貨物の明細が記載された書類を発行します。

STEP
3

貨物の搬出

荷主は輸出しようとする貨物を保税地域(※)に搬入し、通関業者が代理で通関手続きを行います。搬出が認められた貨物は海運貨物取扱業者によって、船積手続きが行われます。

※ 保税地域とは、税関手続きが終了するまで貨物を置く場所、または、関税の徴収を一時留保できる場所のことを言います。

STEP
4

船積貨物の受渡しと貨物受領証の発行

船積に際しては、船側と荷主側、双方の検数人が立会い、通関書類と船積指図書を照らし合わせながら貨物の個数や損傷の有無などを確認します。異常がなければ、「MATE’S RECEIPT」と呼ばれる貨物受領証に本船一等航海士のサインをもらって完了となります。

STEP
5

船荷証券(※)の発行

船積が完了すると、荷主は貨物受取証を船会社に提出して、「船荷証券」と呼ばれる貨物引受証明書の発行を受けます。

※ 船荷証券とは、船で輸送される貨物の財産権を証明する商用書類の一つで、安全かつ迅速な貿易取引において欠かせない書類です。当協会が発行している証明書は、この船荷証券の発行手続きに使用されます。

貨物を受荷主に引き渡すまで

STEP
1

貨物の船卸

受け側の荷主は、発送先の荷主から船荷証券を入手します。これを船会社に提出し、「荷渡指図書」と呼ばれる貨物の荷渡しを指図する書類を受け取ります。

STEP
2

貨物の荷渡し

貨物の荷渡しに際しては、検数人が立会って個数や損傷の有無などを確認し、船卸票などの受渡し証明書を発行します。

STEP
3

荷渡しの形態について

貨物の荷渡しには、「直取」・「総揚」といった2つ形態があり、それぞれ引き渡し方が異なります。

・直取
直取とは、船から直接受荷主に荷渡しをする形態をいいます。

・総揚
総揚とは、船会社から依頼を受けた陸揚代理店が貨物を一括して陸に揚げ、保税地域に搬入して、これを仕分けしてから受荷主に引き渡す形態をいいます。

港における当協会の役割

船積みまでの経路図をもとに、当協会の業務の一部をご紹介します。

J.C.T.Cのこれまでと、これから

貿易取引における検数を中心に事業展開をしてきた当協会。私たちはこれまでの知識やノウハウの蓄積によって、貨物の動きだけではなく、物流全体の流れを把握してきました。これこそが当協会の強みであり、正確かつ迅速な業務、さらにはお客様への柔軟な対応力に繋がっています。そんな私たちの今後の目標は、これからも現場の中で視野を広く持ち、お客様のニーズに応えながら、真摯に業務に取組んでいくことと考えています。